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最高裁判所

 最高裁判所が生まれる,という記事が朝日新聞に掲載されていました。もちろん,日本のことではなく,英国のお話です。
 英国には,これまで,最高裁判所という独立した組織はありませんでした。英国上院,いわゆる貴族院の一部の議員が最高裁判所の役割を果たしていたのですが,「三権分立」の観点から,上院から最高裁判所の機能を切り離すことになったようです。
 貴族院である上院はいわゆる民選でないことは当然ですが,これまで,英国上院は常識の府として下院を監視監督し,言うべきときはきちんと言う,ということで,英国民から支持されており,最高裁判所の機能を果たしてきた「法官貴族」は言わずもがなです。でなければ,この制度が600年間も続くはずはりません。
 今回の最高裁判所誕生においても,12人の法官貴族(裁判官としても活動する上院議員をこう呼びます)は上院を離れ,そのまま最高裁判所判事に任命されるとのことです。一院制の議論が出ては消えていくわが国の参議院とは次元が異なるようです。
 上院が最高裁判所の機能を行使するという制度は面白いと思っていたのですが,なくなることが正式に決まり残念です。
 所変われば品変わると言いますが,外国の制度は面白いですね。
 ちなみに,三権分立を厳守する国アメリカ合衆国の上院議長は誰か知ってますか? 答えは,”ジョセフ・バイデン”です。それ誰?って声が聞こえてきそうですが,バラク・オバマの影に隠れて顔が見えなくなっている副大統領です。上院議長は副大統領が勤める定めなのです。
by sannomiyalaw | 2009-10-01 23:19 | 日々雑感